矯正歯科治療により歯の根が短くなることがあります。治療前の歯根の状態、体質、年齢、負荷された矯正力の強さや治療期間、などが原因として挙げられます。
調整を行ったあと、3日程度咬むと痛いと感じるようになります。痛みが強い時期は、消化の良い柔らかな食事を摂っていただくことがあります。また、装置装着による不快感が伴います。装置により口腔粘膜が擦れて、ヒリヒリ感じたり、口内炎が生じたりすることがありますが、1か月ほどで慣れる場合が多いです。
装置により話しにくくなる場合があります。特に、内側に装置が入る場合は、滑舌が悪くなり、一時的に発音しにくくなる音があります。
矯正歯科治療による歯の移動により、歯の神経が壊死し、歯の変色が生じることがあります。
矯正装置により歯磨きしにくい部位ができ、むし歯や歯肉炎・歯周病になるリスクが高くなります。指導されたブラッシングを毎日丁寧に行う必要があり、小学生以下のお子様の場合は、親御さんの毎日の仕上げ磨きが必要になることがあります。また、定期的なメンテナンス、補助的な清掃用具やフッ素洗口などをお勧めすることがあります。
矯正歯科治療による歯の移動により歯肉が痩せて下がることがあります。特に歯周病などで歯肉が下がっている方は、更に歯肉が下がり歯根の露出が生じることがあります。また、治療により歯が綺麗に並んでくると歯と歯の間に三角形の黒い隙間(ブラックトライアングル)が生じることがあります。
矯正治療中の歯の動きにより一時的に冷たいものなどが染みて痛いという知覚過敏の症状が出ることがあります。症状がひどい場合は、知覚過敏の治療が必要になることがあります。
矯正装置に使用されている金属によるアレルギー反応が出ることがあります。また、金属アレルギーが疑われる場合は、事前に皮膚科などで金属アレルギー検査を受けて、アレルギーが生じる金属の特定が必要になります。金属アレルギーがひどい場合は、矯正治療を中止がひつようになることや、矯正治療ができない場合があります。
治療中に「顎が痛い、口が大きく開けられない」などの顎関節症状が出ることがあります。
動的矯正治療(マルチブラケット装置による治療)が終了したあと、良い歯並び・咬み合わせの維持のために保定装置の使用が必要になります。保定装置をしっかりと使用しないと歯の後戻りが生じ、歯並び・咬み合わせが崩れることがあります。
矯正歯科治療には、一般的に2年前後の治療期間が必要になります。歯の動きの個人差、アンキローシス、習癖(舌で歯を押す)や患者様の治療への協力不足などにより、予定していた治療期間よりも治療期間が長くなることがあります。
顎変形症を改善するための顎矯正手術により、口周りの知覚の麻痺が生じることがあります。
良い歯並びや咬み合わせのため、健康な歯を抜く場合があります。
骨の支持不足や口腔衛生不良などの原因により歯科矯正用アンカースクリューが脱落することがあります。
歯の形を修正したり、より緊密な咬合の獲得のために歯を削ったりすることがあります。
矯正装置を外す際にエナメル質に微小な亀裂(エナメルクラック)が入る可能性や被せ物(補綴物)や虫歯の修復物をやり直す可能性があります。